第164回芥川賞受賞・宇佐見りん「推し、燃ゆ」と受賞候補作品紹介

タイムリーな情報

こんにちは、だれもんジャーです。

2021年1月20日(水)宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」が、第164回芥川龍之介賞(2021年下半期)受賞決定いたしました。
おめでとうございます!
なんと、3作目も書いている途中だとか。
これも、期待が膨らみます。

砂川文次さんと乗代雄介さん以外は初候補。
しかもこれがデビュー作となる木崎みつ子さんなど、キャリアが浅く、年齢の若い候補が多いのが特徴だった。

どんな作品なのか、宇佐見りんさんのインタビューのまとめ芥川賞受賞候補作品、他4作はどんなものがあったのかなど紹介したいと思います。

受賞候補作品に、クリープハイプの尾崎世界観さんの「母影(おもかげ)」が注目をあびていましたが、今回は残念ながら受賞ならず。
でも、「母影(おもかげ)」も購入して読ませていただきたいと思います。
次回作も期待しています。

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「推し、燃ゆ」

「推し、燃ゆ」文藝秋季号
宇佐見りん(うさみりん)さん

1999年静岡県生まれ、神奈川県育ち。
現在大学生、21歳。
2019年、「かか」で第56回文藝賞、第33回三島由紀夫賞を受賞。

語り手は、人気アイドルグループに所属する上野真幸を熱烈に推しつづけるアイドルオタク
「推しは私の背骨だ」と独白し、推しなしでは生きていけないレベルにまで到達している。
すばらしくシャープな文体で抉り出すドルオタ心理や生態が胸に刺ささる。
今を生きるすべての人にとっていびつで、でも切実な自尊心の保ち方、を描いた物語。
圧巻の第二作。

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インタビュー

 

「推し」という言葉、その感覚も、私と同じ年代の子たちには通用することが多いのですが、世間的にはまだその実態が理解されていないように感じたのが、書いたきっかけのひとつです。
「推し」は、ファンが応援している人を指し示すときによく使う言葉です。ジャニーズ、宝塚、地下アイドルに地上アイドル、今で言えばYouTuberもそうですね。
たとえば、「推しを推すこと」が恋愛の下位互換や趣味の一環として捉えられている。
でも、「推す」ことが趣味の範疇を超え、生きがいのようになっている人もいるんですね。
生活の一部に深く食い込んでいる人が多いのに、あまり注目されていないと感じました。

一般的な人間関係、たとえば友達、恋人、家族は、自分が言った言葉や相手への愛情によって、関係性が変わりますよね。
だから向こうからどう思われているかを気にしつつ進んでいく関係性だと思います。
推しへの愛情は、その活躍で返してくれるものなので、ファン個人に対する愛情として返ってくることはありません。
でも返ってこないからこそ、自分にとても自信がない時に救われるということがある。

本当に色々な推し方があり、「推し、燃ゆ」でのあかりの推し方はほんの一例ではありますが、その熱量は現実に存在し得るものだと思います。

今回の受賞は、月並みですが、本当に驚いていますし、うれしいです。
自分の書くものに満足はしていないのですが、ふたつの賞をいただき、読んでいただけているとわかったことで、書くときに悪い意味で不安に取りつかれることが少なくなったかもしれません。

読んでくれる方がいるというのは本当に大きいです。
今は3作目を書いている途中です。いくつも書きたいテーマがあるので、それぞれタイミングを見計らいながら、書いていこうと思っています。

候補作品

「母影(おもかげ)」新潮12月号
尾崎世界観(おざきせかいかん)さん(36歳)
小説デビュー作となる自伝的青春小説『佑介』を2016年に書き下ろして以来、作家としても注目されている。

小学校低学年の女の子の視点から、魅力的な文体で、母親(および母娘をとりまく人々)の姿を活写する。
「風俗店ではないのに性的なサービスを導入しているマッサージ店」という舞台選びが絶妙。

「コンジュジ」すばる11月号
木崎みつ子(きざきみつこ)さん(30歳)

アイドルにすべてを捧げることで苛酷な現実を逃れ、妄想の王国を築き上げる話。
ただし、そのアイドルは、伝説のロックバンド The Cups のヴォーカルで世界的スターのリアン・ノートン。
11歳のとき、テレビの追悼番組を見て初めて彼の存在を知ったせれなにとって、リアンはあらかじめ失われた恋人なのだが、だからこそせれなは妄想のかぎりを尽くし、大部の伝記で細部を補強したリアンとの日々を現実とシームレスに織り上げていく。

「小隊」文學界9月号
砂川文次(すなかわぶんじ)さん(30歳)

現代の北海道で、自衛隊の3尉が小隊を率いてロシア軍と対峙するという戦争小説。
新型コロナウイルスとの戦いはしばしば戦争にたとえられるが、逆もまた真。
最初のうちはしごくのんびりした日常がつづいているのに、あるときとつぜんモードが切り替わりカタストロフへ。
自衛隊用語、軍事用語、兵器その他の名称など、文芸誌ではあまり見慣れないジャーゴンが乱舞する文体が異化効果を高め、異様な「戦争の現実」を実感させる。

「旅する練習」群像12月号
乗代雄介(のりしろゆうすけ)さん(34歳)

 

小説家の語り手は、コロナ禍でヒマを持てあましている小学6年生の姪を連れて、鹿島までの徒歩旅行を計画する。
姪は、中学受験に合格してサッカー部の強い私立に行くことが決まっているサッカー少女。
姪は道々ドリブルやリフティングでサッカーを練習しながら、語り手は野鳥を観察したり近代文学ゆかりの地をたどったりして、それを文章による短いスケッチにまとめる練習をしながら。
姪の亜美のキャラクターがとにかくすばらしい。
読むのが楽しく、同時にもっともつらい。
なぜなら、このすばらしい旅がいつか終わってしまうから。

まとめ

受賞作品だけでなく、受賞候補作品も読みたくなる本ばかりです。
若い方達の鋭い感性が光るものばかり。

それぞれの本の紹介をまとめているうちに、5冊とも読もうと思いました。
芥川賞もさる事ながら、直木賞受賞作品西條奈加さん「心淋し(うらさびし)川」も読みたい!
宇佐見りんさんも西條奈加さんも、初候補での受賞。
素晴らしいですね!

コロナ禍で、何かと家で過ごす時間が増えているよ思います。
読書の世界に入り込み、心に栄養を与えてみてはいかがでしょうか。
今までにない、発見や共感、感動を得ることができるかもしれません。

本っていいですよね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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